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人気漫画『トリリオンゲーム』はこうして描かれた!作画・池上遼一先生インタビュー



原作・稲垣理一郎先生と作画・池上遼一先生のタッグによる人気漫画『トリリオンゲーム』。主人公のハル(天王寺陽)と相棒のガク(平学)の二人が100兆円企業を作ることを目指して奮闘する、スタートアップを舞台にした作品です。

2020年12月に「ビッグコミックスペリオール」で連載がスタートしてから、その破天荒なストーリーとコミカルな作風が話題を呼び、2022年には「マンガ大賞2022」にノミネート。2023年7月14日(金)からは、TBS系金曜ドラマとして、ドラマ版の放送もスタートします。

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作中にはCTF(ハッキングコンテスト)やプロダクト開発に関するシーンも多数登場。原作漫画の技術監修、ドラマのIT・セキュリティ技術監修を、サイバーセキュリティスタートアップのFlatt Securityが務めており、フィクションながらもリアリティのある表現がなされています。

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今回、作品のドラマ化を記念し、原作の作画を務める池上遼一先生に、創作のモチベーションや『トリリオンゲーム』制作の裏話についてお話を伺いました。

プロフィール

池上遼一先生(@Ikegami_Ryoichi
1944年福井県出身。代表作に、『クライングフリーマン』(原作:小池一夫)、『男組』(原作:雁屋哲)、『サンクチュアリ』(原作:史村翔)他多数。『HEAT―灼熱―』(原作:武論尊)で第47回小学館漫画賞受賞。現在「ビッグコミックスペリオール」(小学館)で『トリリオンゲーム』(原作:稲垣理一郎)を連載中。

様々な原作者と組む中で、キャラクターの描き方にも変化が

池上遼一先生


ーー池上先生は『サンクチュアリ』や『HEATー灼熱ー』『男組』など数々の人気漫画を手がけられました。

『サンクチュアリ』は、史村翔先生と組んだ長編作品ですね。史村先生と長編作品を一緒に手がけるのは『サンクチュアリ』が初めてでした。

漫画原作に慣れていない方だと、連載ページに収まらない分量の脚本を書いてくるケースが少なからずあります。分量が多い場合は、担当編集さんが脚本を修正してくださるのですが、それでも収まらなくて僕の方で不要なシーンを割愛することもありました。史村先生は長く原作者を務められてきたから、いつも連載のページ数に収まるように脚本を書いてこられるので、流石だなと思いました。

ーー史村先生の他にも、様々な原作者の方と組んで多様な作品を世に出されていますね。

僕は、「40代半ばぐらいが一番良い仕事ができる」と思ってます。『サンクチュアリ』の連載が始まった時、僕は45歳で史村先生は42歳でした。小池一夫先生と『I・餓男』で組んだ時も、雁屋哲先生と『男組』で組んだ時も、みんな当時40代前後でした。

そして、現在『トリリオンゲーム』の原作を務める稲垣理一郎先生も40代です。クリエイターとして一番脂が乗っている時期に組ませていただいているので、運が良いなあと思いました。

ーー様々な原作者の方と作品を作っていく中で、描き方をどのように変化させていったのでしょうか。

平井和正先生と組んだ『スパイダーマン』の時に、脚本原作から漫画を描く方法を学びました。

平井先生の脚本は小説に近く、「好きなように構成を変えていいよ」と言われていました。なので、自由にやらせてもらいました。原作では後半に書かれていたものを冒頭に持ってきたり、道路を車で走っているキャラクターが進行方向を見失うシーンでは、道路上にたくさんの矢印を出現させたり、と色々な演出を考えました。自分で演出を考えるのは楽しく、とても勉強になりました。

小池一夫先生と組んでいた頃はアクションシーンが主流だったのですが、史村先生と組んだ『サンクチュアリ』の頃からダイアローグ(会話劇)の割合が多くなり、アクションが少なくなってきました。画面に動きをつけるために、キャラクターを下から見上げたり、逆に上から俯瞰したり、画角に変化をつけるようになりました。

僕は、男性のキャラクターを下から見上げる構図で書くことが多いんですよ。子供の頃、世界は「見上げるもの」だったじゃないですか。大人も、道路もみんな大きく見えました。子供の頃に過ごした場所に、大人になってから行ってみると、そのギャップに驚かされることがありますよね。子供から見た大人の姿が実物よりも大きく見えるように、男性のキャラクターを見上げた構図で描くことで彼らを「大きく見せたい」という思いがありました。

『サンクチュアリ』3話の1シーン。主人公の北条彰(右)と浅見千秋(左)の二人が、下から見上げられた構図で描かれている (©史村翔・池上遼一/小学館)

今の時代は「男は強いもの」という価値観では必ずしもなくなってきていますよね。そのような時代の流れも感じているので、こういった表現を使う機会も少なくなってきていると思います。

『サンクチュアリ』の作画テーマは、1巻のタイトルにもなっている「光と影」ですが、元々はそのようなテーマ設定ではありませんでした。

連載を開始する前に、僕が映画『ゴッドファーザー』を見たのがきっかけです。映画の中で、マフィアたちが日常空間をシャットアウトしてから仕事の話をするシーンが印象的でした。外は明るく騒がしいのに、ドアを締め切って、ものすごく薄暗い部屋の中で静かに話す男たちという、明暗のギャップに感銘を受けました。その演出を参考にしながら、『サンクチュアリ』に「光と影」という作画テーマを設定しました。

稲垣理一郎先生との初タッグとなった『こぶしざむらい』の舞台裏

ーー2015年、「ビッグコミックスペリオール」掲載の読切『こぶしざむらい』で、稲垣理一郎先生と初めてタッグを組まれていますね。初めて稲垣先生とタッグを組まれて、いかがでしたか?

池上先生と稲垣先生の初タッグとなった読切作品『こぶしざむらい』(©稲垣理一郎・池上遼一/小学館)

それまで僕が作画を担当する時は、脚本を元に描いていました。映画のシナリオのように風景・人物描写のト書きとセリフから構成されているシンプルな脚本を元に、行間を自分の想像で補いながら、コマ割りや演出を考えていくのは楽しかったですね。

僕が水木しげる先生のアシスタントをしていたころ、先輩の漫画家から「漫画というのはネームが出来たら終わったようなものなんだ」とよく言われていました。本当にその通りで、全く何もないところから絵を生むということが絶対なんですよ。漫画における絵というものは、小説における文体のようなものだから、あくまでも原作を盛り上げたり演出を行ったりするためのものだと考えていました。

なので、稲垣先生から初めて原作をいただいた時、脚本ではなくネームの形で、「この通りに絵を描くだけなの?」と正直すこし抵抗感がありました。

でも一方で、稲垣先生のドラマツルギーの凄さに驚きました。『こぶしざむらい』は前後編構成の読切で、原稿用紙60枚程度の作品だったのですが、キャラクターやストーリーの作り方には目をみはるものがありました。

また、稲垣先生がネームの段階でも、そのシーンを印象付けるようなキャラクターの表情をしっかり表現していることにも驚きました。下手に僕の画風にすると、その勢いを殺してしまうんじゃないかと思って、表情の描写には常に気を配ってきました。

ネームの原作から作画するということは、「漫画の下書きが既に出来ている」ということでもあるので、「え、そんなの絵を描くだけだから簡単でしょ?」と思う人も少なくないと思います。でも実際にやってみるととても大変なことですよ。自分の画を表現しながらも、原作の世界観を壊してはいけないわけですから。より深く原作や演出の意図を汲み取った上で自分らしさを表現し直さなければいけない。そういう意味では脚本を作画するよりも難しいです。

慣れない作業だったので大変だったのですが、諦めずにやり切って良かったなと思います。今はこの新しい創作スタイルに手応えを感じています。

『トリリオンゲーム』のコミカルな演出に隠された「若者たちの思い」



ーー最初に『トリリオンゲーム』の企画を知った時はどう思われましたか?

ネームを見てもらうとわかるけど、僕が『サンクチュアリ』でやってきたリアルタッチの劇画と違って、ギャグっぽいシーンが多くて、「これは若い漫画家さんに依頼した方がいいんじゃないかな」と思いました。

今思うと、この作風のギャップが功を奏しているのかもしれないですね。この作品が今風の絵で描かれていたら、ここまでヒットしなかったかもしれません。稲垣先生のコミカルで明るい原作に、僕の描く劇画が掛け合わさったことで、不思議な魅力を持つ作品が出来上がっているんじゃないかと思います。

ーー確かに、作品の中ではコミカルな演出も多く、話題になっていますね。

ネームが届いたら、まず「なぜこのキャラクターはこのような表情をするんだろう」「このシーンはなぜユーモラスなんだろう」といった表現の意図について僕なりに考えています。最初のうちはそこまでわからなかったのですが、徐々に稲垣先生の演出の深い意図が見えてきました。

作品の中では、若者たちが力を合わせて戦っていますよね。新しいことをやろうとしてドラゴンバンクに潰されても、また次の新しいことに挑戦する、そういうたくましい若者の姿が垣間見えるわけです。それをあえてギャグ化して茶化すのは、近代化の中で醸成された資本主義を茶化すことで、大人たちを茶化している若者たちの姿を暗に表現しているのではないか、という考えに至りました。

そう考えると、描いていてなんだかしっくり来るんですよ。ただ単に、大人たちに負けないように若者たちが必死に頑張っている、というだけではなくて、どこか醒めたところも感じています。

ーーなぜ、そのような考えに至ったのですか?

こういう考えに至ったのは、小池一夫先生たちと長年組む中で、時代を感じてきたからかもしれません。キャラクターの体格や表情も時代によって変化してきています。

小池先生が原作の『I・飢男』は高度経済成長期の前期の作品で、キャラクターの体つきはスリムなんですよ。ところが、バブル中盤ぐらいになってくると、景気が良いから「飽食の時代」になって、みんな美味しいものばかり食べるようになる。そうすると、主人公の体つきもものすごく立派になります。『北斗の拳』みたいな感じですよね(笑)。

バブルが弾けた後は『サンクチュアリ』のようになります。鍛えた体をスーツで覆ってしまって見せないんですよね。この頃は、弁護士などのインテリジェンスな人たちがヤクザになっていた時代で、そういった人たちは俗に「経済ヤクザ」と呼ばれていました。

でも企業も政界も、経済ヤクザを利用できるだけ利用して、用済みになったら暴対法で潰しました。そのような背景もあり、経済ヤクザの時代は『BEGIN』の頃には終わっていました。今はもう、ヤクザと呼ばれる人たちは表舞台から姿を消していますよね。

ーー作品や原作者の違いではなく、時代の流れがキャラクターの体格や表情に変化をもたらしてきたのですね。

そうですね。やっぱり、時代に描かされるんですよね。

でも、描いていた当時は、時代に描かされている感覚はなかったんですよ。こうして今振り返ってみると「時代の空気を感じながら描いていたんだな」と思えます。今はもう、時代の空気がわからないですけど(笑)。

一人ひとりのキャラクターを大切にする稲垣先生をリスペクト

ーー『トリリオンゲーム』には様々な個性的なキャラクターが登場していますが、キャラクターの個性を表現するためにどのような工夫をされていますか?

これに関しては、僕ではなく稲垣先生が凄いです。稲垣先生からお渡しいただくネーム原作には、キャラクターひとりひとりの個性や特徴がきっちり描き分けられているんですよ。

僕は、大阪芸術大学のキャラクター造形学科で教授を務めていて、キャラクターの描き方に関する講義も受け持っているのですが、物語において一番重要なものは、キャラクターなんですよね。一般的に、1つの物語には様々なキャラクターが出てくると思いますが、主人公以外のキャラクターはいわば「主人公を立てるための道具」です。

例えば、『あしたのジョー』で、主人公の矢吹丈とライバルの力石徹が過酷な減量をする中、丈と同じジムに所属するマンモス西が減量に我慢できず、屋台でうどんを食べてしまい、丈に罵られて号泣するシーンがありましたよね。このシーンでは、マンモス西という意思の弱いキャラクターを登場させることによって、丈や力石がいかに強い意思のもとで苦しい減量に耐えているのか表現しているわけです。単に丈や力石が「苦しい」と言ってもダメなんですよ。他のキャラクターを通じて、彼らが寡黙に苦しみに耐えていることを感じてもらうのが大事なんですよね。

『トリリオンゲーム』のネーム原作を見ると、稲垣先生はこの仕組みをよく理解されていて、作品の中で実践されていることがわかります。そのために全てのキャラクターを活かそうとしていて、決して疎かにしていません。それが主人公以外の魅力になっている。僕は本当にリスペクトしています。

ソシャゲ&タレント事務所編で出てくる、桜をはじめとするソシャゲ開発チームのメンバーはとても個性的ですよね。生意気な口調の二葉、巨漢の巨椋、常に風船ガムを噛んでいる斜森は見ていて楽しいですね(笑)。稲垣さんはキャラクターにクセをつけるのが上手いですよね。いつも本当に感嘆しています。

『トリリオンゲーム』19話(単行本3集収録)、ソシャゲ開発メンバーたちの会話(©稲垣理一郎・池上遼一/小学館)

ーーコミカルなキャラクターもいる中で、投資家の祁答院一輝は「池上先生らしいかっこいいキャラクターだな」と思いました。

ドラマでは吉川晃司さんが演じられるんですよね。渋くてなかなかかっこいいですよね。

荒唐無稽な場面も多いストーリーにリアリティーを出すためには、リアルな表情のキャラクターが必要です。そういう思いも込めて、祁答院の表情には、場を引き締めるリアルさを持たせるよう工夫していました。

一方で、漫画っぽさも残したかったので、祁答院の靴の裏にハートと四葉のクローバーを埋め込んでみました。「愛も幸運も信じないから、ハートとクローバーを踏みつけている」という設定です。元々、原作では普通の靴底だったのですが、この設定は稲垣先生にも気に入ってもらえました。

『トリリオンゲーム』8話(単行本2集収録)より。祁答院の靴の裏にはハートと四葉のクローバーが埋め込まれている(©稲垣理一郎・池上遼一/小学館)

ーー描いていて一番気持ちが入るキャラクターは誰ですか?

やっぱりガクですね。あのナイーブさが魅力だと思います。普通、同窓会の後に女の子に誘われたらあんな風にならないと思うんですけど…(笑)。本当、稲垣先生の心理表現が上手いなと思いましたね。あのシーンは、描いた後に自分で読んでみて泣きましたよ。(※このシーンが気になる方は、単行本5集収録の39話をお読みください!)

27話(単行本4集収録)で、ドラゴンバンクのサーバーに侵入した時のガクも印象的ですよね。もう一歩のところでEnterキーを押せないで落ち込んでいるところを、凜々に見つかってしまって「ガクさんは、ダメなんかじゃ、ないです。」と慰められます。このシーンも泣けますね。すぐしょげてしまうガクのことを、凜々はいつも慰めてますね。

ーー主人公のハルについてはいかがですか?

僕はイケメンばかり描いてきたから、ハルを描くのはもちろん楽しいですよ。以前、Eテレで放送された「浦沢直樹の漫勉」でもお話しましたが、今の若い漫画家さんたちは等身大の男性を主人公にすることが多いけど、僕は非日常的な、「男前」の男性を描いていないと楽しくないんですよ。

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作中では、ハルがなぜ1兆ドル稼ぐことにこだわるのか、その理由については一切明かされていませんよね。理由が謎のまま、そのような言動だけが描かれると、単なる「守銭奴」に映ってしまいそうですが、時々ふと憂いのある目をするんですよね。こういう表情を見ると彼の過去に何かあったのかな、と読者は気を惹かれます。過去は謎のままでも、こういう演出を通じて、ハルが私欲だけで動いている人間ではないことを感じさせられます。

未来のシーンにハルがいないことにも、胸をざわつかされますよね。村上龍が翻訳した小説『イリュージョン』(リチャード・バック著)の主人公を彷彿とさせます。ミステリアスで、急にふっと消えてしまいそうな儚さがあります。あの雰囲気を出せれば良いのかなと考えながら描いています。

セキュリティ・チャンピオンシップの作画を支えた”IT通”スタッフ

ーー今まで作画をしてきた中で、一番思い入れの強いシーンはありますか?

25話(単行本4集収録)で、ハルがガクに「ソシャゲ開発の動きは全部ダミーだ」と言い切って、ガクが驚愕するシーンです。それまで一緒に力を合わせて色々な壁を乗り越えてきたハルとガクの考え方が、ここで決定的に対立してしまって、そこから二人は別れて行くわけですが、この時のハルはとても憂いを帯びた目をしているんですね。

『トリリオンゲーム』25話(単行本4集収録)、ハルとガクの決別のシーン(©稲垣理一郎・池上遼一/小学館)

ハルは、ガクが自分の元を去るのを静かに、悲しそうに見つめてから演壇に戻っていく。このシーンが一番好きですね。

ーー作画が大変だったシーンはありますか?

9話のセキュリティ・チャンピオンシップ決勝で、ガクが全チームに一斉攻撃を仕掛けるシーンがありますよね。こういうシーンは描くのが難しかったですね。

『トリリオンゲーム』9話(単行本2集収録)、ガクが全チームに一斉攻撃を仕掛けるシーン(©稲垣理一郎・池上遼一/小学館)

Flatt Securityの皆さんの監修や資料のバックアップが本当に有り難かったです。加えて、25、6年ほど僕のアシスタントを務めてくれているスタッフが、ITやプログラミングに造詣が深かったので助かりました。彼がいなかったらこの作品はできなかったかもしれません。

ーー作画を進める中で、意識されていることはありますか?

僕はITに関する知識がないので、作画の際はとにかくわかりやすくするようにしています。作画スタッフがまず最初に画面を作ってくれていますが、必ず僕も確認して、わかりづらいものには修正を入れています。

漫画を描く時に、僕は「ストーリーの中で何を大きく見せるか」というテーマ性を大切にしています。そこについては何回もやりとりをしています。

「非日常的なイケメン」目黒蓮さんに演じてもらえる喜び

ーー7月14日(金)からドラマの放送が開始されますが、ドラマ化決定を知った時、どう思われましたか?

僕の描いた作品がTVドラマ化されるのは初めてのことだったので、嬉しかったですね。

それに、配役も素晴らしいです。僕が描く「非日常的なイケメン」を体現するような役者さんなんて存在しないんじゃないかな、と思っていたのですが、今回いらっしゃいましたね。ハル役の目黒蓮さんは本当にハルに似てますよね。目が優しいし、明るい顔から憂いのある顔まで色々な表情ができる方です。良い役者さんに演じていただけて、嬉しいです。

ガク役の佐野勇斗さんも演技が上手いですね。ドラマの公式Twitterアカウントで、ハルとガクの二人が乾杯するショートムービーが投稿されていましたが、佐野さんが目黒さんに「よろしくね!ハルくん!」と少し甲高い声で呼びかけているのを見て、すごいなと思いました。ガクのピュアでナイーブなところが出ていて、撮影当初にも関わらず、既にそういったキャラクターを作り上げていることに驚きました。


目黒さんも佐野さんも、スラっとした体系で、身長が高いですよね。並ぶと同じぐらいの背丈じゃないかと思います。僕が描いているハルとガクも、実は二人とも180cmぐらいのつもりで描いています。ピッタリの配役ですね。

『トリリオンゲーム』を通じて、読者の方に感じてほしいこと


ーー最後に、『トリリオンゲーム』読者の方や、これからお読みになる方に向けてメッセージをお願いします。

本当に良いシーンがたくさんある作品です。

6話(単行本1集収録)では、セキュリティ・チャンピオンシップ予選の777点問題の回答を送信する前に、ガクがハルに「すごく楽しかった」と語りかけて、会社設立に向けて動き出す、とても印象的なシーンがあります。読者のみなさんも職場で働いていると、時にはうまくいかないこともあるかもしれません。でも、その辛さの先に自分が努力したことに対する矜持や、面白さが待っているかもしれません。

主人公のハルは決断が早く、簡単に物事を決めて進めているようにも見えるかもしれませんが、実は数をこなすという地道な努力もしています。そして、彼の側にはガクがいます。ガクはエンジニアですが、セールスから採用まであらゆることにコツコツ取り組みます。

互いに努力をしているんですよ。それでいて対照的な2人の生き方をじっくり見ていただけると、将来の自分の生き方の参考になるのではないかと思います。

(取材・文/寺山ひかり 撮影/豊田恵二郎)

お知らせ

最新刊・7集が7月12日(水)発売!!



作画・池上遼一先生と原作・稲垣理一郎先生のタッグによる漫画『トリリオンゲーム』の最新刊7集は2023年7月12日(水)発売予定です!

ニュース配信を巡るハルと桐姫の戦いの行方がどうなるのか、ぜひ単行本で確かめてください。

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原作・ドラマ監修者の解説付きで見る!ドラマ1話ウォッチパーティー開催!!



2023年7月14日(金)、YouTube Liveにてオンラインイベント「原作・ドラマ監修者の解説付きで見る!スタートアップドラマ『トリリオンゲーム』第1話ウォッチパーティー」を開催します!

スタートアップ/起業に関する解説や、原作・ドラマの技術監修者による技術解説を交えながら、ドラマの見所を深掘りしていきます。スタートアップやセキュリティに興味のある方から、原作ファンの方まで、さまざまな方のご参加をお待ちしています。

一緒にドラマ放送を盛り上げていきましょう!!

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